TACSS工法
TACSS工法とは
TACSS 工法は、水と反応するが水には溶けにくい薬液を用いる「1 液システム」です。高圧・高流速の地下水に立ち向かい、地下水に悪影響を出来る限り及ぼすことなく、確実に水を止め、構造物の止水をする公害安全性の高い薬液注入工法です。このシステムは、その優れた特性ゆえに、地盤強化はもちろん、遺跡の保存などにも利用されています。
TACSS 薬液の荷姿について
商品名 | CR-020NF | C-852 | CR-030NK | C-10 | 洗浄剤 |
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荷 姿 | 18㎏/石油缶 | 0.9 ㎏/角缶1ℓ | 18㎏/石油缶 | 0.9 ㎏/1ℓ角缶 | 18㎏/石油缶 |
TACSS 薬液のグレードと性能
分類 | 一般型構造物止水用 | 環境対応型構造物止水用 | |
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主剤 | CR-020NF | CR-030NK | |
触媒 | C-852 | C-10 | |
洗浄剤 | DINP | DINP | |
用途 | N構造物のひび割れの封止・止水 | 環境対応を必要とする構造物のひび割れの封止・止水 | |
外観 | CR-020NF/ 茶褐色液体C-852/ 無色透明液体 | CR-030NK/ 茶褐色液体C-10/ 無色透明液体 | |
粘度(mPa・s)(23℃) | CR-020NF/70 〜130C-852/10 〜30 | CR-030NK/90 〜160C-10/5 〜25 | |
密度(g/㎤) | CR-020NF/1.12 〜1.18C-852/0.91 〜0.95 | CR-030NK/1.13 〜1.19C-10/0.89 〜0.93 | |
発泡倍率 | 30倍 | 30倍 | |
ゲルタイム(20℃)触媒添加量 | 2% | 2.5分 | 2.5分 |
3.5% | 1.5分 | 1.5分 | |
8% | 40秒 | 40秒 | |
水質試験JWWAK-135 | - | 基準適合 | |
ホルムアルデヒド放散等級区分表示・登録番号 | F☆☆☆☆A17045 | F☆☆☆☆A17046 | |
発泡体圧縮強度(MPa) | フリー発泡体 | 0.10 | 0.12 |
モールド発泡体 | 4.75 | 5.20 | |
発泡体曲げ強度(MPa) | モールド発泡体 | 5.41 | 5.72 |
浸水試験における止水限界流速 | 珪砂1号 | 6m/min | 6m/min |
珪砂3号 | 7m/min | 7m/min | |
止水試験後の再漏水試験屋外暴露1 ヶ月 | 珪砂1号 | 漏水なし | 漏水なし |
珪砂3号 | 漏水なし | 漏水なし |
ゲルタイムとは
TACSS液薬は、注入により水と接触するとある時間後に反応が始まり、まず、炭酸ガスを発生し、そのガス圧で観掛け上液薬が膨張し、浸透する。そしてガスの発生が止まると次第にゲル化する。TACSS薬液では水と接触してからガス発生が始まるまでの時間を誘導期間、発生するガスによる薬液の浸透が停止するまでの時間を反応期間と称し、その2つを加えた時間をゲルタイムと呼ぶ。
専用触媒の使用量とゲルタイム
専用触媒の標準(20℃)の使用量とゲルタイムの目安は表-1の通りである。また、図-2に示すように薬液のゲルタイムは温度によって大きく変化する。低温では長くなり、高温では短くなるので、使用時の温度により触媒の量を調整する。
触媒量 | 主剤 | 適用例 |
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1% | 4分 | 染・柱の微細クラッシュの止水 |
2% | 2.5分 | 染・柱の微細クラッシュの止水 外壁のクラッシュ止水 |
3.5% | 1.5分 | 地下室入隅・出隅のの止水 外壁の止水、屋根の止水 |
8% | 40秒 | サッシ廻りの止水、流水の止水 |
発泡体圧縮強度
CR-020NF/C-852 | CR-030NF/C-10 | ||
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発泡体圧縮強度(MPa) | フリー発泡体 | 0.10 | 0.12 |
モールド発泡体 | 4.75 | 5.20 |
フリー発砲体 | フリーに発砲させて、角柱に切り出したサンプル(4㎝×4cm×10cm) |
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配合 | 主剤/触媒/水=100/4/10(wt%) |
モールド発砲体 | 直径5cm、高さ10cmのモールドバック成型最多サンプル |
配合 | 主剤/触媒/水=100/4/10(wt%) |
発砲体圧縮強度測定方法は、下記のサンプルを作成し、圧縮強度を測定した。
発泡体曲げ強度
CR-020NF/C-852 | CR-030NF/C-10 | ||
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発泡体曲げ強度(MPa) | モールド発泡体 | 5.41 | 5.72 |
発泡体曲げ強度測定方法は、下記のサンプルを作成し、曲げ強度を測定した。
モールド発砲体 | 4㎝×4cm×10cmのモールドバックに成形したサンプル |
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配合 | 主剤/触媒/水=100/4/10(wt%) |
透水試験による止水効果
TACSS工法は、水が流れている状態でも確実に止水でき、止水後は水圧が高くなっても漏水が発生することはありません。 透水試験は長さ1,500mm、直径26mmのパイプを使用して行いました。
主剤/触媒 | 珪砂サイズ | 止水限界流速 |
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CR-020NF/C-852 | 1号 | 6m/min |
3号 | 7m/min | |
CR-030NF/C-10 | 1号 | 6m/min |
3号 | 7m/min |
止水試験の試験体を1ヶ月間屋上暴露し、対水圧試験を行いました。
主剤/触媒 | 珪砂サイズ | 止水限界流速 |
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CR-020NF/C-852 | 1号 | 漏水なし |
3号 | 漏水なし | |
CR-030NF/C-10 | 1号 | 漏水なし |
3号 | 漏水なし |
TACSS工法構造物施工順例
TACSSの安全性
■JWWA K-135の溶出試験に適合しています。
■F☆☆☆☆を取得しています。
TACSS工法の登録
■国土交通省新技術提供システムNETISに登録 KT-150061-A
協会員には「会員の証」を、また優秀な技術者には「TACSS工法技術指導員之証」、「TACSS工法技能士之証」の資格証を発行しています。
※TACSS工法の施工は、日本TACSS工法協会の施工会員に限られます。弊社は日本TACSS工法協会の正会員 です。詳細については弊社へお問合せいただくか日本TACSS工法協会WEBサイトをご覧ください。