ひび割れ補修
ひび割れにエポキシ樹脂や超微粒子セメントなどを注入し水分や有害物質の侵入を防ぐ。
工種工法概要
ひび割れ補修はひび割れを塞ぐことにより、劣化因子の侵入によるコンクリート構造物中の鉄筋の腐食や凍害による劣化、漏水等を抑制し、防水性、耐久性を向上させる。
工法としては高圧注入工法や低圧注入工法、Uカット工法(Vカット工法)などがあり、工法により使用する材料も異なり現場の条件により工法を選定する。
注入工法は使用材料によっては、躯体の一体化を図ることも可能なため、コンクリート構造物全般に発生したひび割れの補修工法として最も普及している。
従来はグリースポンプを利用した手動による高圧注入工法であったが、現在ではゴムの復元力やスプリング等を使用した専用の治具が開発され、 注入圧力0.4MPa以下の低圧で、かつ低速で注入する低圧注入工法が主体となっている。
この工法の特徴として下記の点が上げられる。
- ①注入剤の量の管理が出来る。
- ②注入精度が作業員の熟練度に左右されない。
- ③ひび割れ深部のひび割れ幅が0.05mmと狭い場合でも、確実に注入することが出来る。
ひび割れ注入の手順
- ①ひび割れ部の清掃
- シール材や治具が接着できるように、必要な部分をディスクグラインダ等でケレンする。
- ②注入用パイプもしくは注入治具セット
- 鉄筋の錆をワイヤーブラシやディスクグラインダにより除去し、防錆処理材を塗布する。補修用モルタルの吸水防止及びコンクリートとの付着力を高めるためにプライマーを塗布する。
- ③ひび割れ面シール
- 注入材が流出しないように、ひび割れに沿ってシール材をへらで塗りつける
- ④注入
- 治具やポンプなどを使用して、樹脂を送り込む。
- ⑤注入用パイプもしくは注入治具撤去
- 樹脂の硬化後、注入パイプや治具を撤去する。
- ⑥シール材撤去
- シール材をディスクグラインダで削り取り、仕上げる。
対象構造物
各種コンクリート構造物