IPH工法(内圧充填接合補強工法)

IPH工法とは

コンクリ一卜構造物は、地震という物理的な原因による被害や中性化・アル力リ骨材反応という化学的な原因により経年劣化し、破壊するまでその強度を減衰させていきます。その復旧の際には、大規模改修による莫大な費用を伴わない補修方法として「自動式低圧樹脂注入工法」が多用されています。しかしながら、この注入はコンクリ一卜内部構造にまでは達しないものであり、その弱点である「強度復元力」を徹底改良したのが「IPH工法」です。本工法では穿孔穴の内部から注入された樹脂がコンクリート躯体内で放射状に拡散することにより、末端の微細クラックまで、充填することができます。その画期的な特長から、鉄筋とコンクリートの付着強度を高めるだけではなく、さらに高い防錆効果が得られる唯一の高密度注入工法として土木学会の技術評価を得ています。

特徴

●高密度充填

一般工法では注入用の樹脂の粘度がJIS規格で1000mPa"s以下と設定され、加圧力は建築改修工事共通仕様書でO.4N以下と定められています。本工法では高流動性の工ポキシ樹脂を用い、注入加圧力を0.06±0.01~0.02 N/mm²という超低圧に抑えることで毛細管現象も生かされ、まるで植物の葉脈すべてに水分や養分が行きわたるようなイメージの高密度かつ高精度な充填が可能になります。さらに、注入器(IPHカプセル)には、注入剤の浸透を阻害する内部工アーを排出する機能があります。

この注入により設計数値胃所に耐久力が回復することは土木学会で実証されました。また鉄筋周りも樹脂で被覆するので腐食進行を防ぎます。健全化された構造物はその結果としても漏水も遮断します。

●耐久性の向上

同上の要素から構造物内の0.1mm以下のクラックへの注入が容易であり、計測実績からは0.01mm程度の微細クラックへの注入も可能です。それに半い、新設時よりもコンクリ一卜躯体強度が増すことから耐久性の向上が大いに期待できます。

柱状供試体の性能回復実験(広島工業大学工学部建築工学科・耐震構造研究室)
  • 柱状供試体の性能回復実験 せん断破壊試験後、補修前状況

    柱状供試体

  • 柱状供試体の性能回復実験 エボキシ樹脂低圧注入状況

    IPHカプセル
    注入圧 0.06N/mm²

  • 柱状供試体の性能回復実験 せん断破壊試験状況

    正面 1/50 第1回目

  • 柱状供試体の性能回復実験 せん断破壊実験状況

    負側 1/50 第1回目
    せん断破壊位置は、注入位置ではなく
    オリジナルコンクリート。

補修前のせん断破壊実験では、水平変形角1/200で斜めひび割れが発生し、正側1/100第1回目では耐力を維持していたが、負側1/100載荷中にひび割れが一気に拡大し終局した。補修後の同試験では、正側1/50第1回目では耐力を艦持していたが、負側1/50を目指す途中でひび割れが拡大し終局した。以上の結果、本柱状供試体の製作時と補修後を比較すると水平耐力が10~30%上昇し、補修による補強効果の発現が判明した。

 
最大耐力等
試験体名 最大耐力
(正)
(kN)
最大耐力
(負)
(kN)
最大耐力
(正負平均)
(kN)
回復率 Qmu
(kN)
Qsu
(kN)
N-01制作時
N-1補修後
228.4
275.1
237.5
265.1
232.9
270.1
1.160 227.9 212.4
N-02制作時
N-2補修後
127.8
163.7
129.7
178.9
128.8
171.3
1.330 174.1 120.0
Qmu:曲耐力計算値
Qsu:せん断耐力計算値
●鉄筋防錆・中性化抑制

下地調整用セメントペース卜(IPH#300)の成分が内部鉄筋周固まで確実に浸透することにより、鉄筋の防錆効果が高まるとともに、再アルカリ化からコンクリ一卜の中性化を抑制します。

●注入状況の可視化と遮光機能

透明な遮光カプセルケースを使用しておりますので、注入剤残量等が目視確認できるとともに、紫外線や日射熱の影響を緩和します。

●注供用を妨げない施工が可能

道路・鉄道・空港等、施設の利用状態での施工が可能です。

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登録

国土交通省新技術NETISに登録されている

登録番号CG-070007-A ※2007年(平成19年)10月

登録番号CG-070007-V ※2012年(平成24年)10月

土木学会技術評価認定を受けた唯一の注入工法である

土木学会 技術評価 第0009号 ※2011年(平成23年)6月

発明の名称「コンクリートの構造物への注入充填剤の注入方法、および注入方法に関する注入器」として特許が確定した

※2012年(平成24年)8月31日

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施工手順

施工手順

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作業工程

  • 1.下地調査
    (IPH#300塗布)
  • 2.断面修復
    (IPH#600塗布)
  • 3.穿孔
    (IPHミストダイヤ)
  • 4.注入硬化養生
    (IPHカプセル)
  • 5.完成
    (橋染下部)
  • 6.完成
    (橋染全体)

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※IPH工法の施工は、IPH工法協会の施工会員に限られます。弊社はIPH工法協会の正会員 であり長野県幹事会社です。詳細については弊社へお問合せいただくかIPH工法協会WEBサイトをご覧ください。

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