落橋防止装置
地震の際に橋桁がずれたり、落下しないように各装置を設置
震災時、桁が橋脚や橋台上で進行方向に移動し、落下することを防ぐため、PC鋼棒やチェーンなどで、桁をつなぎとめる工法。
部材は通常工場制作となるが、既設構造物との干渉など現地での詳細な調査が必要となる。
装置の取り付けは、コンクリート部ではアンカーを使用、金属部では溶接、ボルト止め、またはこれらを併用して取り付けられる。
コンクリート部では、既設コンクリート構造物の鉄筋を避けてアンカー孔を設けるためアンカー孔穿孔完了後、正確な孔の位置を型取りしてから、再度構造計算のうえ工場にて孔明(部材に穴を開ける)。
また、部材設置後は、既設コンクリートへの応力伝達を均一にするため、部材とコンクリートの隙間に充填材を充填する。金属部では、溶接の熱による金属の性能低下を起こさないよう、十分な配慮が要求される。PC鋼棒を用いる場合は、鋼製ブラケット設置後、PC鋼棒を設置する。
なお、橋梁上でのクレーン作業となる場合がほとんどであり、熟練を要するとともに、綿密な搬出入計画が要求される。
落橋防止装置
- ①アンカー孔穿孔
- 部材取り付け用のアンカー孔を穿孔。
- ②アンカー定着
- エポキシ樹脂等でアンカーを定着させる。
- ③アンカー位置確認
- 定着後のアンカー位置、間隔を確認する。
- ④鋼製ブラケットの工場制作
- 鋼製ブラケットを制作し、正確なアンカー位置、間隔に併せて、工場にて孔明する。
- ⑤部材設置
- クレーン等を使用し、鋼製ブラケットを設置する。
- ⑥アンカー締め付け
- 所定のトルクでアンカーナットを締め付ける。
- ⑦充填工
- 部材設置面の外周をシールして、部材とコンクリートの隙間に充填材を充填する。
- ⑧PC鋼棒設置
対象構造物
橋梁